ひと夏の片思い
私は食欲がなくてサラダを頼んだ。山崎は定食を頼んだ。
話は全然盛り上がらなかった。よく考えると私たちには共通の友達も共通の趣味もない。
私は無理矢理サラダを自分の口に入れた。冷たくて美味しくなかった。山崎は黙々と食べていた。
「俺、和食好きなんだよね」
「私はイタリアンが好きだな」
やっぱり私たちは合わない。住む世界が違いすぎる。
店を出て、車に乗ると山崎が「送っていく」と言った。私はこの雰囲気のまま帰りたくなかった。
「海見に行こうよ」
私は気乗りしてない山崎に無理にせがんだ。
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