ひと夏の片思い
彼は見たところ同世代の普通の男の子に見えた。
「えっ」
「あれ友達でしょ」彼は千冬を指差した。「俺の友達と盛り上がってるね」
千冬は笑いながら知らない男の子と話している。盛り上がってるようだ。
私は隣をまじまじと見た。Tシャツとジーンズの普通の学生の格好。特にかっこよくもない。
「名前は?」
彼が聞いた。私は彼の風貌から警戒心を解いた。
「なつき。そっちは?」
「山崎」
私と山崎の出会いだった。
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