ひと夏の片思い
千冬と雅也が盛り上がって私たちは次の週に海に行くことになった。
晴れまくって暑い日なのに私は水着になれなかった。アレになったのだ。
「泳がないの?」
山崎が聞いた。
「風邪気味でさ」
私は笑った。かわいいフリルの水着を着た千冬が眩しい。
「じゃあ俺も」
山崎はフードを羽織った。二人で出店に焼そばを食べに行った。
私はあんまり食欲がなかった。
「食べないの?」
「食べてきたから」
「じゃあ食べるよ」
山崎は半分残った私の皿の焼そばを自分の口に入れた。
その時の私の心臓の音は、多分他の人にも聞こえたかもしれない。
「山崎くんは彼女いるの?」私はやっとの思いで聞いた。
「いない。そっちは?」
「いないよ」
「どのぐらい?」
「半年ぐらい」見栄を張った。本当は二年もいない。
「山崎くんは?」
「二年ぐらい」彼はあっさり言った。
「元カノとはなんで別れたの?」
山崎は私たちの荷物のあるパラソルへ歩き出した。
「あっちが好きな人できたって言ったから」
先に行く山崎の顔は見えない。「でも今でも時々会ってるけどね」
「えっ」
私たちは海ではしゃぐ千冬たちをパラソルの下で待った。
「元カノと会ってるということは未練あるの?」
「まさか」山崎は笑った。「むこう彼氏いるし。時々電話かかってきて飯行くぐらいだよ」
「ふぅん」
私は黙って海を見た。なんだかむかついた。元カノに。なんで連絡するの?私は元彼に連絡なんかしない。
「おー」
雅也と千冬が海から上がってきた。
「夏樹〜」千冬が耳打ちした。「私たち、遊びに行くから先帰ってて」
晴れまくって暑い日なのに私は水着になれなかった。アレになったのだ。
「泳がないの?」
山崎が聞いた。
「風邪気味でさ」
私は笑った。かわいいフリルの水着を着た千冬が眩しい。
「じゃあ俺も」
山崎はフードを羽織った。二人で出店に焼そばを食べに行った。
私はあんまり食欲がなかった。
「食べないの?」
「食べてきたから」
「じゃあ食べるよ」
山崎は半分残った私の皿の焼そばを自分の口に入れた。
その時の私の心臓の音は、多分他の人にも聞こえたかもしれない。
「山崎くんは彼女いるの?」私はやっとの思いで聞いた。
「いない。そっちは?」
「いないよ」
「どのぐらい?」
「半年ぐらい」見栄を張った。本当は二年もいない。
「山崎くんは?」
「二年ぐらい」彼はあっさり言った。
「元カノとはなんで別れたの?」
山崎は私たちの荷物のあるパラソルへ歩き出した。
「あっちが好きな人できたって言ったから」
先に行く山崎の顔は見えない。「でも今でも時々会ってるけどね」
「えっ」
私たちは海ではしゃぐ千冬たちをパラソルの下で待った。
「元カノと会ってるということは未練あるの?」
「まさか」山崎は笑った。「むこう彼氏いるし。時々電話かかってきて飯行くぐらいだよ」
「ふぅん」
私は黙って海を見た。なんだかむかついた。元カノに。なんで連絡するの?私は元彼に連絡なんかしない。
「おー」
雅也と千冬が海から上がってきた。
「夏樹〜」千冬が耳打ちした。「私たち、遊びに行くから先帰ってて」