君が忘れられない
「彼ね、本当は彼女が居たの。けど、私と無理矢理付き合ってくれた。それだけで、私は嬉しかったんだ。一緒に帰るのも私で、全部私が一番って思えるくらい優しかった。けど、後になってわかったよ。私は彼の、玩具だっていうことがね。何ヶ月か経ってから、いきなり言われたんだ。「別れよう」って。その時私、下がらなかった。「何で?何で?」ってずっと言ってたの。そしたら、告げられた。「お前は俺の玩具だったんだよ」って。私と付き合い始めた頃、彼の彼女は入院してたの。別れた日は、彼女が退院した日だったんだ―・・・」




「・・・辛かったろ?泣いてもいいんだよ?」




雅貴に優しく告げられたとき、私の心がパァッて晴れたように軽くなった。




それと一緒に、涙が出てきた。




私が泣いているとき、雅貴の顔はどうしていたんだろう?




優しく私の頭をなでてくれた雅貴。




泣きやんだとき、私は言った。




「ありがとね」




「・・・おう。じゃぁ、明後日、頑張ろうな」




「うん!」




そう言って別れた。




私は、雅貴から助けてもらった。




「あーあ・・・泣いちゃったなぁ。明日、目、腫れなきゃいいんだけどなぁ」




そう、呟いて家に入った。
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