君が忘れられない
スタートの人は、開会式にでなくてもいい。




だから私は、皆が帰ってくるまでストレッチ。




そして、開会式の時に走りに行くんだ。




「先輩!」




「・・・雅貴。どうしたの?皆、走りに行ったよ?」




「ちょっと、いいっすか?」




「?」




私は頭にハテナを浮かばせ、雅貴の後をついて行く。




人影の無いところに連れてこられて、雅貴は止まった。




「先輩、頑張ってくださいよ」




「う、うん。ただ、それだけ?」




「いや・・・。何か、ね。言いたいことあるんですけどね・・・。ここに来て、止めました。先輩が頑張ったら、言おうと思いますんで♪」




「ちょ、私は大損じゃん!!」




「俺はここからの方が近いんで。それじゃっ♪」




「っちょっとぉ!!!」




雅貴は、笑いながら手を振って走っていった。
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