君が忘れられない
「ったく、教えてあげたのによぉ」




そう、圭は呟いた。




サッカー部で、唯一の体力の持ち主の圭は、美里と付き合って3ヵ月くらいだ。圭の片思いで、やっと付き合えたんだけど・・・。美里は、圭のことどう思っているのかな?




「まぁ、頑張れって♪」




「毎日頑張ってますよ」




そう言う圭に、私は笑った。




別メニューの私は、当然、あの5人と一緒に走らなければならない。




一番遅いに決まってるのに、先生が「南ならやれる」って引かないんだもん。




「はぁ・・・。なんで私だけー・・・」




「南せーんぱいっ♪顔、死んでますよー?」




昨日の練習から、ずっと突っかかってくる雅貴が、私は憎くてたまらない。




だって、笑いながら「遅い」とか「どんくさっ」とか言ってくるんだよ!?




本当、ストレス溜まる。




「うっさいなぁ!いちいち喋りかけないで!」




「先輩の為に、言ってあげてるのに」




「余計なお世話!!」
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