遠距離恋愛のカタチ


……なんて。

偉そうに言うけど、これって、間違い電話の彼女から学んだこと。



「……やっぱり、心じゃなくて、実体そのものがそばにないとダメになるものなのかな」



間違い電話の彼女のことを思い出して、ポツリとつぶやく。



「それは、人それぞれじゃないの? あたしは、毎日壮ちゃんのこと考えているよ。寂しいけどさ、会えない時間が、逆にいいのよ」

「会えない時間が?」

「そう。会えない時間が、壮ちゃんのことを、もっともっと好きにさせてくれるから」



彼女はにこりと笑い、俺を真っ直ぐに見据えて言う。

聞いている俺の方が、照れてしまう。


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