Happy days
「みんなに聞いたりしないの?」




私は桜ノ宮祭の案内の紙を
見ながら、千奈ちゃんに聞いた。






「そうしたんだけどさぁ…


みんな………



『バンドやりたい』


『ダンスがいいなぁ』


『やっぱり劇かなぁ』




………とかでばらばらなのよ…」






千奈ちゃんは深いため息を
つきながら肩を落とした。





「うーん………
バンドにダンスに劇かぁ………




なんか、
ミュージカルみたいだね」





私がボソッとつぶやいた一言……



それに千奈ちゃんは
大きく反応した。





「皐月………」




「…え?どうしたの?」





「それよ!!!
ミュージカル!!!


それならみんなの意見が全て
通るじゃん!!!

やったー、助かったぁ♪」





そう言って千奈ちゃんは
両手を上げ、大袈裟に喜んだ。



私はそんな千奈ちゃんを見て、
少し嬉しくなった。
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