Happy days
「皐月、どうしたの?
急に怖い顔して………」





「………え?
いや、うん…何でもない………」






――あ、危ない………

平然を装うのって難しい………






私はできるだけ
不自然のないように
台本に目を通した





………が………






「皐月………
台本、逆だけど………?」





「………ん?


………あっ!!!」






慌てて台本を
正しい向きに直す。




その後も勘づかれないように
してみたが…

どうしてもどこかで
ドジる………





――うぅ………
私、ダメだぁ………









その時、ふとあいつの言葉が
頭の中をよぎった………







『お前って
ほんとわかりやすいよな』






………プチン………








「うるさい!!!
私は純粋なのよ!!!」





私は聖を睨みながら言った。





辺りの空気が凍り付く………






――あ………

私、何を………






「さ、皐月………?」





辺りの冷めた空気とひきかえに
私の頬は真っ赤に染まっていった





「え、えっと………



独り言なので
お気になさらずに…」






――って、あんな独り言が
あるわけないよね………







私はそそくさと逃げるように
教室を出た。








――ああ………
みんなの視線が痛い………
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