Happy days
そんなこんなで
私たちのクラスでは
毎日、文化祭に向けて
練習が行われた。





最初は私も乗り気では
なかったけど、
日に日に私は芝居に対する意欲が
燃え上がり、
かなりマジでやるようになった。









………一方、聖は………






『あなたは誰かを好きになったことはないの?』




『………あるよ。
一度だけ………』



『それは誰?』




『………死んだ。
三年前に………』








「はい、カ−ット!!!」





千奈ちゃんの声で、
私達はふぅと息をついた。




「いや〜、聖君はいいねぇ♪
うん、私のイメージ通りの
演技だよ♪」





そう言われた聖は
まんざらでもないような表情を
浮かべた。






――わ、私だって………





妙な対抗心を燃やした私は
千奈ちゃんに分かるように
自分を何度も指差した。






「皐月はねぇ…
悪くはないんだけど………


表情がちょっと固いかなぁ?」






その言葉に私は
がっくりと肩を落とした。






――やっぱり…かぁ………


私から見ても
聖、演技うまいもんなぁ………






自分の評価が残念でもあったが
それと同時に
聖の演技に感心している
私もいた。
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