Happy days
「はい」





私はぶっきらぼうに
飲み物を聖に渡した。

まったくもって
かわいらしさのかけらもない。





「ん?」





「飲み物。
飲まないんならもらうよ?」





そう言って私はペットボトルの
フタを開けようとした。





「おいこら。
誰がいらないって言った?」





「返事しなかったじゃない」




「あれは状況把握だ。
いらないなんて一言も
言ってない」






そう言って聖は私から
飲み物を奪った。


そして、フタを開けると
それを一気に飲み干した。





「誰もとらないんだから
ゆっくり飲めばいいのに…」





「ちょっと待て。

お前は数秒前の自分の行動すら
覚えてないのか?


さっきまでこれ、
飲もうとしてたろ」





聖は私の目の前に空のペットボトルを突き出した。
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