Happy days
「………ふぅ。


おっけぇ、まかしとき。
俺が案内したるから」




そう言って俊は私の手を握ると、
ニカッと笑った。


そして俊は、私の手を握ったまま病室を出て、私を一つ上の階の部屋へと連れていってくれた。




―――――――――――――――





「…ここが、あいつん病室や」



そう言われて恐る恐る病室の入口を見る。


入口のプレートにはたしかに八神聖の名前が入れられていた。




「んじゃ、はいろか?」



「………うん」




私は小さく返事をした。


それを聞いた俊は私の前に立ち、
病室の扉を開けた。




「………聖?」




病室に入るなり、私は聖の名前を口にした。


しかし、返事はない。


代わりに返ってきたのは………




「し〜………!!


静かにしてください…!
お兄ちゃん今寝てますから…!」




声の主は私の知らない女の子だった。
< 335 / 395 >

この作品をシェア

pagetop