Happy days
「今さら何言ってやがる………」




聖は再び怒りのままに叫びそうだった。



私は慌てて聖の腕をギュッと握った。




「お前の言うとおり、確かに俺は会社を優先した。



………だが、それは真弓に言われたからだ」




その言葉に、聖は動揺した表情を見せた。



怒りで震えていた手が急におとなしくなった。




「真弓が病気になったとき、俺はつきっきりで看病するつもりだった。

会社も休んで、社員達に全てを任せるつもりだった。


………でも、真弓はそれを良しとしなかった」



「……………」



「あなたが会社を休んだら、誰が会社をまとめるの?

あなたが作った会社でしょ?

あなたの役目はあなたにしかできない。

だったら、その責任をしっかり果たして。




………思えば、あれが真弓が言った初めてのお願いだったかもしれないな」
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