夜明けのこえ
“約束、破ったね。
ゴメン”



ナオの泣き顔はスゴく綺麗で。



僕の唇はその涙の跡を



なぞるように這わせた。



それに意味は無く。


ただ、そうしてあげたかったんだ。



ナオは戸惑っていた。



泣いてる自分に。



目の前の彼に。



ただ、怖かった。



与えられた今が。



怖いのに



永く、
欲しがるコトを隠していた。



その優しさが、
今すぐそこにあって。





怖いから



今の彼を拒みたくて



怖いけど



この体を抱いてくれる腕が嬉しくて。




触れる唇が欲しくて。




気がつけば





ナオもまた、
彼を求めていた。
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