夜明けのこえ
見えない何かに怯え

抑えられない焦燥感だけを頼って



握るナイフに力を込めた。


それこそ、
その滑らかな皮膚を裂くつもりで。



けれど、
ぜんぜん切れやしなかった。


…こんな震えた手じゃ

一輪の花すら切り落とせるワケなかったんだ。
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