夜明けのこえ
これで一通り奪ってしまった。



そう彼女に告げた。


けれど彼女は赦してくれはしなかった。


“ねぇ、アタシから夜明けを奪ってよ”


そんな風に言われたのはついさっきだって言うのに……。



僕は不覚にも思ってしまった。



彼女は初めから、
僕にそれしか期待してなかったと。



ずっと昔からそれを……

それだけを願っていたんだと。
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