ちびねこ物語
ツはずっとうれしそうな顔をしている。


茶パツの部屋に入り、僕はいつものよう

に、いつもの場所へ飛び乗った。

ベッドサイドの棚の上だ。

茶パツのベッドは、布団も枕も薄い花柄

で、ピンク調にまとまっている。いかに

も、女の子って雰囲気だ。

男はその、花柄のベッドをソファ代わり

に腰掛けた。

腰掛けながらも落ち着かないようで、あ

たりをきょろきょろと見回している。



「ちょっと、このまま待ってて」



茶パツは僕と男を部屋に残し、ひとりで

部屋を出て行った。きっと、今日のため

に買ったケーキとお茶を、用意してくる

つもりなんだ。


茶パツがいつも聞いているCDが、いつ

ものように流れている。

男は立ったり、座ったりしながらテレビ

のリモコンを拾い上げ、適当にチャンネ

ルをまわした。

そのうち、ジーパンのポケットに手を突

っ込み、銀色に鈍く光るジッポを取り出


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