ちびねこ物語
楽しそうに笑うきれいなママ。
  

「最初と最後の”お辞儀”が肝心なのよ」


って、お姫様のようなお辞儀をするんだ。

お世辞じゃないんだ、本当だよ。


それからは僕のお昼寝の時間。

ママは隣に腰掛けて、パパの埃っぽく

なった靴を磨く。

まだ鼻歌も続いている。



まどろんだ午後。

静かな時間。

平和なひと時だと思っていたのに。

ママには憂鬱なことがある。



だいたい同じ時間、今頃になると・・・、

ほら、今日もかかってきた。


プルルルルルルルル・・・・

プルルルルルルルル・・・・



しつこく鳴り響く非通知の電話。

最初はママも受話器をとっていた。


「もしもし、どちらさまですか。」


「・・・・・・・・・・・・・・」


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