ちびねこ物語
そんなある日、たまたま電話の前を通り

かかったママを待ち構えていたように、


プルルル・・・・


と電話が鳴り始めた。

反射的にママは受話器を取った。

”とらないでっ”

その時、僕はママの腕の中。ママの鼓動

はどんどん早く、激しくなる。



「もしもしっ、もしもしっ!あなた、い

 ったい誰なの!?どうして・・!?

 どうしてなのっ、私に何を言いたいっ

 ていうのよ!?」


今まで張り詰めていた糸が、ブチッ・・

と弾き飛ばされたように、ママは一気に

まくし立てた。


その早口に反応したかのように、受話器

の向こう側から、とうとう声が漏れた。



「おっ・・・、奥さん、!?奥さん、

 ごっ、ご存知かしらっ!

 お宅のご主人、”おんな”がいるって

 こと!?」


甲高い、女性の声だった。むこうだって、
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