ちびねこ物語
事故
『 事 故 』


こうして、僕らの家の中を、通り雨が過

ぎていった。

それはちょっぴり長い間だったけど、家

族の笑顔は今日の空と同じ。

大きな荷物をやっと降ろした、そんな顔

して笑っている。



日曜日。

久しぶりにパパがうちにいて、朝から車

を洗っている。


「みんなでドライブにでも行くか」

って、大きなワゴンを車庫から出した。

ホースの先から飛び散る水が、放射線状

にキラキラと光り、ちいさな虹を作って

いる。

「いい天気ねぇ。」

外に出てきたママと茶パツも、眩しそう

に空を見上げる。


「ちびすけ、手伝いにきたのか?」

僕はパパに声をかけられたけど、とんで

もない。僕は家族の監督さっ、ちゃんと

やってるかチェックしているんだよ。

「はいはい、わかっていますよ」

笑いながらパパ。額には汗が光っている。
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