ちびねこ物語
それでもやっぱり、

ママは来ないということが判ると、

それぞれが、ふらりふらりと行く当ても

なく歩き始めた。




バルルルル・・・バルルルル・・・

バリバリバリバリ・・・!

キキィイイーーー!!

ブロロロロロ・・・・・・



車やバイクのエンジン音は、

僕らのいるすぐ近くを、けたたましく駆

け抜けていく。


やがて僕らの鳴き声は、ぶ厚い雨のカー

テンに遮られ、何人かいた兄弟の姿も、

ひとり・・・ふたり・・・と、僕の視界

から消えていった。




相変わらず、雨は容赦なく、僕の身体を

突き刺し続けた。


すぐ近に、生ゴミが溢れていたようだ。

足もとを流れる、川のような流れととも

に、生暖かいような嫌な臭いが、一瞬プ

ン・・・とあがってきて、鼻から脳みそ








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