【コラボ】答をください。
 ある日、先輩は突然私にこんな事を聞く。

【この事、柏木に話したらどんな反応するかな?】

【驚く、じゃないんですか?】

【そうだよね】

【なんでですか?】

【俺、卒業するまでに一度でいいから柏木と本気でやってみたいんだよね】

 驚き。

 あぁ、やっぱり私はただの道具なんだな、という再確認。

 不安。

 先輩とのつながりを絶たれる不安。

 そして初めて気付く―――独占欲。


 先輩を誰にも渡したくない


 そんな嫌な感情が自分の中にあることに初めて気付いた。


 “一体、私はなんなのだろう?”


 自分でも自分の事が分からない。

 助けを求める自分―――誰に助けを求めればいいの?

 先輩は更に柏木さんとやりたいという事をアピールしてくる。

 『私にどうしろと?』という何度目かのこの疑問。

 私が、柏木さんに聞けと?

 先輩とやってくれないか、って?

 …なんだそれ。

 やれれば、先輩は誰でもいいのだろう。

 ただ単に私しかやってくれる人がいないから私とやっているだけなのだろう。

 それでも、しつこく柏木さんとやりたがる先輩に―――【怒り】を覚えた。

 それなら最初から柏木さんに頼めばいい。

 やりたいのなら、自分で頼めばいい。

 …私に聞かないでよっ!!

 そう叫びそうになる。

 それでも―――未だ先輩の事が好きでいる自分にもっと吐き気を覚える。



 そんな事があっても、先輩との行為は1月下旬まで続いた。

 一月下旬、いつものように先輩にメールで呼び出され、放課後に屋上で行い、その次の日だった。

 その行為がばれてしまったのだ。

 自分の両親に。
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