【コラボ】答をください。
　放課後、いきなり生活指導の先生に呼び出された私は生徒指導室へと連れて行かれた。

（何だろう…？）

　嫌な予感がする。そしてそれは、的中してしまった。

「滝ノ上さん、最近携帯に悪戯のメールとか、来ない？」

「はい」

「じゃあ、最近、奥嶋君とメールした？」

「いいえ。先輩は今受験ですし…」

　とっさに嘘をついてしまう。

　なんとなく言わないほうが良いと思ったのだが…

　嘘を重ねる度に、自分で逃げ道を塞ぐ事もなんとなく分かっていた。

　さらにその後も色々と質問される。

　実に回りくどく、いっその事はっきり聞けばいいのにと思うくらい。

　私は愛想笑いと“嘘”でその質問に適当に答える。

　適当といっても、頭の中では考えを精一杯張り巡らせていた。

　どうやってこの状況を打開しよう…

　冷や汗は流れはしないものの、焦りと不安が心につきまとう。

　やがて担任の下野先生が来て、三人で私の家へと行くことになる。
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表紙・目次

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