【コラボ】答をください。
 そして―――しばらくしてから久しぶりに見かけた先輩は眼鏡をかけていた。

 見かけた、というか、ぶつかる寸前だった。


 朝、遅刻寸前だった私は全力で階段を駆け上がっていた。

 三階への階段に差し掛かった時、目の前に人影が…

「っすみません!!」

 ぶつかる寸前でなんとか踏みとどまると、慌てて頭を下げてまた階段へと駆ける。

 すれ違う時に相手の顔がちらりと見えた。

(あ…奥嶋先輩…)

 相手は奥嶋先輩だった。

 何故か眼鏡を掛けていたが、多分、奥嶋先輩だったと思う。

 でもやっぱり慌てていたから、人違いかもしれない。


 奥嶋先輩らしき人も、ちらりと私を見ていた。



 冷めた目で。


(私…睨まれた?)

 気のせいかもしれない。

 いや、違う。

 気のせいであってほしいと思っている。

 …本当に、嫌われてしまった。

 そりゃ、当然のことだろう。…でも、やっぱり



 辛い、な。
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