風船

彼は口を開いた、

「最近外国からこっちに戻ってきました、神谷 裕馬です。よろしくお願いします。」

軽く頭を下げ、指定された席へと向かって行く。

席は…あたしの斜め前。

ふわっと甘い爽やかな香りが漂う。

あたしは彼の広い背中から目が離せないでいた。
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