先生、ずっと愛してる。
1限目は、先生の地理の授業だったのに、自習にしてくれた。




私が、式典で読む言葉を考えられるように…




私のために、自習にまでしなくてもいいのに…




でも、やっぱりうれしい。




教室だと集中できないだろうからって、社会科準備室を貸してくれた。




後から行くからって言ってくれた。




先生のためにも、やるしかないよね!!




「創立100周年、おめでとうございます。この良き記念の日に立ち会える事ができる事を、大変うれしく思います」




まぁ、この文が1番、無難だよね…




問題は…この後だよね…




しばらく考え込んでいると、先生が入ってきた。




「どう?進んでる?」




「んー…イマイチ。最初は簡単なんだけど、後が続かなくて」




「どれ?見せて?」




先生が紙に目を通す。




「お前、すっげぇな!俺、こんなの書けねぇよ。さすが国語5」




本当に、何でもよく知ってるよね…




生徒の去年の成績を、覚えてる先生なんて、絶対にいないよ。




去年は、何にも先生に関わってないのに…




『生徒の勉強をしてる』って先生が言った時、すごくうれしかったのを思い出した。




2人で、悪戦苦闘しながら書き上げた言葉は、なかなかいい物に仕上がった。




…って自分で言うのもなんだけど…
< 100 / 258 >

この作品をシェア

pagetop