先生、ずっと愛してる。

先生は、ギュッと抱きしめてくれた。




「どうした？そんなに俺に会いたかった？」




どうして先生は、そんなに余裕なの？




私なんて全然、余裕なんてないのに…




私は子供で…先生は、ずっと大人。




それが今、目の前に突き付けられた現実。




「会いたかった…」




私の涙を、そっと手で拭ってくれた。




「俺…彩音に、どうしても会いたくて、さっさと仕事終わらせて来たんだ」




私って本当にバカだよね…




先生の事、少しでも疑ったりして…




最低だよ…私。




先生の完璧なスーツ姿、初めて見た。




学校では、上着は脱いでるし、ワイシャツの腕の部分は捲ってるし…




ネクタイもしてたり、してなかったりだから…




やっぱ、カッコいい。




先生は、慣れた手つきで、スーツをハンガーに掛けていく。




１人暮らしに慣れてるって、思っていいよね？




先生は、私の家に置いてある部屋着に着替えて、ベッドに横になった。




先生、知ってる？




少しずつ私の家に、先生の私物が増えてるって…




私も、先生の隣に横になった。




「田上と一緒に、ここで寝たろ？」




「うん…何で？」




「違う匂いがする」




私は全然、気づかなかったけど。




やっぱ…分かるんだ。