先生、ずっと愛してる。
待ち合わせ場所に着くと、そこには…




学校に着て来る、いつものスーツじゃなくて、オシャレなスーツを着た先生がいた。




やっぱり…すごくカッコいい!!




「お待たせ」




「…………」




先生は、私の頭のてっぺんから、足のつま先まで、食い入るように見ていた。




「やっぱり…変??」




「いや…すっげぇかわいい。高校生に見えないぐらい…」




目一杯、オシャレしてきてよかったぁ。




このワンピース、買った甲斐があった。




予約してあったレストランは、夜景が一望できる最上階の1番いい席だった。




「きれい…」




言葉にならないほどの絶景。




こんなに、きれいな景色を誕生日に、それも先生と見れるなんて…




夢にも思っていなかった。




「彩音、お誕生日おめでとう」




「ありがとう、先生」




ワイングラスで乾杯すると、いい音色が響く。




もちろん、高校生の私は、ワインなんて飲めるわけもなく…




ノンアルコールのシャンパンだけど。




「きれいに食べるんだな」




私のナイフとフォークの使い方を見て驚いている。




「父親が国会議員だから、いつでも食事に誘われていいように躾られてたんだ…」




まぁ、今日まで役に立った事なんて1度もなかったけど。




使ってみると、覚えてるもんよね。




もう何年も前の話しなのに…
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