先生、ずっと愛してる。
先生は『ちょっと待ってて』って言って、教室に入って行った。




「校長先生に許可もらったから、いいタキシード着せてくれよな」




クラスからは歓喜の声があがる。




正直、絶対に許可は下りないと思ってた。




どうしよう…顔がニヤけちゃうよぉ。




「何かあったら、社会科準備室にいるから呼んで」




それだけ言うと、先生は教室から出てきた。




「お待たせ。行こっか」




「はい…」




「聞いてた？相手が俺じゃ不満だろうけど、当日はよろしくな」




「不満なんてないです…」




「そぉ？よかった」




むしろ、本望です！！って心の中で叫ぶ。




口に出せないのが痛いけど…




準備室は、また埃っぽい空気が流れてた。




「先生…夏休みの間、掃除してないでしょ？」




あれだけ梨華と掃除したのに、地図やら地球儀やらに、もう埃がしてる。




「夏休みは、そんな気分じゃなかったから…」




先生と目が合う。




悲しい目をしていた。




なのに…




何も言えなかった。




「ちょっと職員室に行って、プリント取って来るから」




そう言って、出て行った。




やっぱり…こんな狭い所で２人っきりは…嫌？




いろいろ考えるのが嫌で、新鮮な空気を入れようと窓を開ける。




すると、ドアが開いた。




先生が戻ってきたんだと思った。
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