先生、ずっと愛してる。
先生が見えて来た。




先生の横にいたのは中田先生だった。




何か、2人でヒソヒソやってるし…




聞こえてきたのは…




先生の『はぁ!?』って声。




何か言って、私からバトンをもらって走って行った。




何を話してたんだろう…




梨華の所に戻ると、みんなが口にしてた言葉は…




「ねぇ瀬名っち、何の事言ってたの?」




「さぁ?優勝の事じゃない?」




何か嫌な予感がする。




「ねぇ梨華、聞こえた?」




「うん…お前には渡さないって言ってた。たぶん、中田先生が俺が勝ったら彩音をもらうとか言ったんじゃないの?」




はぁ…いつになったら、あきらめてくれるんだろう。




ゴールは先生の方が僅かに速かった。




中田先生は体育の先生だし…




先生に勝てなかったのは、体育教師としてのプライドが許さないはず。




でも…今度、何かされたり先生に何かしたら…一生許さないからね。




私達のクラスは、学年別の優勝が決まり、体育祭の最後にやる学年対抗リレーに出る事になった。




「彩音ー、お弁当食べよう」




「うん」




実は…自分の分と、もう一つ…先生の分も作ってきちゃった。




離れてる今、受け取ってもらえるか分からないけど…




受け取ってもらえなかったらショックだな…




「それ…瀬名っちの 分でしょ?渡さないの?」
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