先生、ずっと愛してる。

私は、先生の目に写りたくなくて、わざと人気のない所へ行った。




「瀬名っち、いいの？行かせて。あの人、彩音の元カレだよ？」




「みたいだな…。でも俺は彩音を信じてるから…」




「瀬名っちって女心、分かってないね。普通、行くなって言わない？それに、彩音の初めてを面倒だって言って傷つけたの、あの人だよ」




こんな会話がされてる事も知らず…




「今更、話す事なんてないんだけど」




「俺さ、彩音の事、ずっと忘れられなかったんだ」




ほんっとに今更だから…




「嘘！！あの時の彼女はどうしたの？」




「あれから、すぐ別れたんだ…」




「別れたからって私の所に来ないでよ！！二股かけてたのは、そっちでしょ？」




「ゴメン…。でも俺、彩音の方が大事だって気づいたんだ」




大事…？そんな事、簡単に言わないで…




「そんなの…もう遅いよ。私、本当にあの頃、謙吾が好きだった。何もかも捨ててもいいぐらいに。でも謙吾は私の事、本当は好きじゃなかったんだよね？だから私の初めてを面倒だって言ったり生徒と付き合ってみたかったとか言えたんだよね？」




「いや…それは…」




「私が、あの時どんな気持ちだったか分かる？謙吾に裏切られた気持ち。楽しかった思い出も全部、嘘だったんだって思ったら…」




「それは違う！！俺は彩音の事、本気で好きだったんだ。それは今も変わらない」




「私…もう彼氏いるから」




そう言ったら、腕を痛いくらいに捕まれた。




「痛いよ。離してよ！」




「やだ…」




その時…私の前に、愛しい人が立ちはだかった。