先生、ずっと愛してる。

待ち合わせ時間の１０時。




ケーキが入ってる紙袋を、そっと持って外に出た。




ちょうど、先生の車が止まった。




走りたい気持ちをグッとこらえて、気をつけて歩く。




「おはよう。お待たせ」




「おはよう」




ケーキを抱いたまま車に乗り込んだ。




「すごい荷物だね。何が入ってんの？」



「内緒。着いてからのお楽しみ」




「えぇ～。気になる～！！」




車の中から見える大きなイルミネーション。




今もきれいだけど、夜は最高にきれいなんだろうな。




さすがクリスマスだけあって、街はカップルで溢れてる。




「ゴメンな…。この辺じゃ、堂々とデートもできなくて。手も繋げないしな」




「そんなの卒業してからでいいよ。手なんか繋がなくても、心が繋がってればいい…なんて、ちょっとクサイかな？」




普通に手を繋いで、街を歩いたり買い物したり、ご飯食べたり…




羨ましくないって言ったら嘘になる。




でも…今は、ただ一緒にいれるだけで幸せって思える。




「彩音、卒業まで頑張ろうな」




「うん！！」




先生のマンションに着いた。




久しぶりに来た先生の部屋は、珍しく片づいていた。




「すごい片づいてる…」




「片づけたというか…昨日、押し入れに押し込んだというか…」




やっぱり？？