先生、ずっと愛してる。
春の訪れ
「はやぁぁぁい!!!」




季節は、もう桜が舞う季節になった。




先生とは、最近なかなか会えずにいた。




学校で会えるんだったら、少しはよかったんだけど…




春休みというものがあって…電話とメールは毎日してたんだけどね。




「次の担任に、俺のクラスだった生徒と事をちゃんと伝えたいから」




そう言って、先生はほぼ毎日のように学校に入り浸っていた。




もう…先生のクラスじゃないんだね。




「彩音はいいよねぇ。永久就職が決まってるから」




「決まってるっていっても…まだ実感が湧かない。梨華だって永久就職するんじゃないの?」




春休みに、梨華と遊ぼうと思ってたのに、彼氏と沖縄旅行に行ってて、1回も遊べなかった。




何か、修学旅行で見た沖縄を彼氏にも見せたかったんだって。




「ん~いずれはしたいけど…まだお互い職もないしねぇ。瀬名っちみたいに天職が見つかればいいんだけど…」




職かぁ…。私も働かないとね…。現実はそうだよね…




「彩音!早く教室行って席取ろう!」




「あっ、うん!」




3年はラッキーな事に、クラス替えというものがない。




梨華と…あのクラスのみんなと卒業できる。




問題は……担任かぁ…。




2年の時は2階だったけど、3年は1階。




階段を昇らなくていいから、すっごく楽チン。




下駄箱の所に、何やら人だかりができている。




「何だろうね?行ってみよっ!!」




梨華に急かされて行くと、そこには移動する先生の名前が書いてあった。
< 234 / 258 >

この作品をシェア

pagetop