先生、ずっと愛してる。
果たして、彩音がうんと言うだろうか。




顔も見たくないだろうに。




なぜ、俺は断れなかったんだろう…




正直言うと、中田のあの態度に心を動かされていた。




彩音も俺と一緒だと断らないとは思うが…




なるべく早めに彩音に言っておかないと…




時間は今日しか残ってないからな。




「あっ、上原」




ちょうどいい所に…




「ちょっといいか?」




「あっ…はい」




パァっと頬が赤く染まっていく。




結構、一緒にいる時間長いのに。




まっ、こういう所が最高にかわいいんだけどな。




かなり自惚れだけど…




「どうしたの?」




誰もいない社会科準備室。




誰もいないのをいい事に抱きしめたくなる。




「先生…?」




抱きしめている俺の胸の辺りから声が聞こえる。




ダメダメ。ちゃんと話しをしないと…




「あのさ、中田が異動になった事は知ってると思うけど…」




見る見るうちに、彩音の顔色が変わる。




よっぽど中田が嫌いなんだろうな。




って…当たり前か。本当の被害者は彩音だしな。




「知ってるよ。何で?」




「あのさ…中田が彩音と、どうしても話しがしたいらしいんだ。俺も一緒にいるから…ダメかな?」




ものすごく考え込んでる。




最後の最後まで、中田に振り回されてるよな?俺ら…
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