先生、ずっと愛してる。
「まだ泣くのは早いぞ。って…俺も、もう泣きそうだけどな」




先生……。この1年、長かったようで短かったね。




まだ、先生の生徒でいたいっていう気持ちと、明日からは堂々と腕を組んで歩けるうれしさと…いろんな気持ちが入り混じる。




「まだ、先生の生徒でいたいよぉ…」




「俺を泣かせるな」




そう言って、先生の頬には涙が伝っていた。




やだ……私も泣きそう。




隣の梨華は……号泣。




誰でも同じ気持ちなんだ…




このクラスが最高だったから。




そして……担任も。




「卒業生の皆さんは体育館前に集合して下さい」




いよいよだ。




「よし。この続きは、また後でな」




きっと…私、号泣するだろうな。




体育館前では、他のクラスの人が先生と写真を撮っていた。




前は、隣に女の生徒がいるだけで妬いてたのに…




明日からの事を考えているからか、割りと平気だった。




「彩音も後で絶対、撮ろうね」




「うん」




もう、明日からは制服も着ないし、先生をしてる先生も見れない。




この目に焼き付けて置かなきゃ。




「あ~…疲れる。後で彩音に癒やしてもらおう~」




こっそり、私にだけ。




そして……拍手に迎えられて入場。




その目に飛び込んできたのは…




先生のお母さんだった。




本当のお母さんのように目いっぱい拍手してくれてる。




我慢してた涙が溢れた。
< 249 / 258 >

この作品をシェア

pagetop