先生、ずっと愛してる。
私はこの時、初めて椎名さんが本気で瀬名先生を好きだと知った。




だって、目に涙いっぱいためて私を睨むんだよ?




もし私が椎名さんの立場だったら、同じ事してたかもしれない…。




保健室に着くまで、ずっと先生が心配してくれてたっぽいけど、全然覚えてない。




頭は椎名さんの言葉でいっぱいだったから。




『私、瀬名っちとキスしたの』




信じてるわけじゃない…




でも…気になってしかたがない。




直接、先生に聞いてみようかな…。




保健室は消毒液やいろんな匂いが混じって独特の匂いがある。




高校に入って初めてお世話になるな。




「あら、まぁ…。かわいいお顔が台無しじゃないのぉ」




そう言いながら消毒をしてくれるんだけど…




痛くて、しみるぅぅ!!!




いつの間にか瀬名先生の服を握りしめていた。




「何だったら手握っててやろうか?」




「いいです!!」




先生の手なんか握ったら絶対『好き』が伝わっちゃうよ。




「女の子なんだから気をつけなさいよ。冷やすんだったらそこのベッド使っていいから」




このままサボっちゃおうかな。何か今日は授業受ける気分じゃないし…。




「私、これから出張なんですけど、瀬名先生彼女の事見ててもらえます?」




「そのつもりです。今日は午後まで授業ないんで…」




今……何て??
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