先生、ずっと愛してる。
先生の唇が離れる。




今の私…完璧に茹で蛸状態だよ…。




先生は澄ました顔して立ってる。




やっぱり…こういうの慣れてるのかな?




「上原、知ってた?先生って呼んでくれるのお前だけだって」




そう…なの?でも、どうしたんだろ?急に…




「携帯番号とアドレス教えたのも生徒の中では上原だけ。それに俺、彼女なんていないから」




いない…?今、彼女いないって言ったよね?




「椎名にはキスされそうになっただけでしてないよ」




よかった…。




「キスしたのもお前だけだから…」




えっ…??




それって…どういう意味?




キーンコーンカーンコーン。




チャイムと同時に、ものすごい足音が近づいてくる。




ガラ――。




「彩音、大丈夫!?」




息を切らして慌てて走ってきたんだ…




梨華って本当に優しいね。




「大丈夫だよ」




「よかった~」




「こら!廊下は走るな。それと保健室では静かに」




梨華ったら先生にはお構いなし。




「今日はもう早退しなよ」




「大丈夫だよ。それに傷が残ったら先生が責任とってくれるらしいから」




梨華は驚いた顔をしたが、急にニヤニヤしだした。
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