先生、ずっと愛してる。
時計を見ると、もうお昼を過ぎていた。




どうりでお腹が空いてるわけだ。




どんなに悲しい事があっても、お腹は空くんだね…。




まぁ、生きてる証拠だけど。




居留守を使おうと布団に潜ってみたものの…




あんまりしつこく鳴らすから渋々、起き上がる。




梨華かな?




そう思いながら玄関のドアを開けると…




先生が立っていた。




驚いて声も出ない。




「よかった…電話、何度かけても繋がらないから心配したんだぞ」




そういえば…充電切れたままにしてたんだっけ。




「充電が切れちゃって…」




先生…私の事、心配しててくれたんだ…




「あんま…心配させんな」




次の瞬間、私は先生に…




抱きしめられていた。




何で…?




忘れろって言ったり、急に抱きしめたり…




意味が分かんないよ…




「玄関先でこんな事してて勘違いされても困るんですけど」




ほんとはうれしいくせに…




かわいくない言葉。




素直に『うれしい』って言えばいいのに…




もう…




言えないよ…。
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