先生、ずっと愛してる。
それから、何度も吐いて、そしてまた夜がきた。




怖い……。




夜がこんなに怖いと感じたのは初めてだった。




部屋の窓を見ると、カーテンの隙間から月の光が漏れていた。




久しぶりの月を見たくて、カーテンを開けた。




「きれい…」




そう呟いた後、何気なく下を見た。




するとそこには、ジッとこっちを見てる人がいた。




慌ててカーテンを閉める。




怖い……!!




今、確かに目が合った…よね?




間違いなくこっちを見てた。




あの人…どっかで見た事があるような…




でも今はそれどころじゃない。




どうしよう…どうしよう…




月の光が明るすぎてよけいに怖いよ…。




自分でもパニックになっていくのが分かる。




私は無意識に電話をかけていた。




「もしもし?」




「先生助けて!!誰か外でこっちを見てるの!!」




「上原!?大丈夫か?どうした!?」




「先生早く!!早く来て!!」




先生は、ただならぬ雰囲気を感じたみたいだった。




「すぐ行くから待ってろ!!」





お願い!!早く来て!!




それから、どれぐらいの時間がたったのだろう。




ピンポーン…




先生?




よかった…来てくれたんだ。




そう思ったのもつかの間だった。
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