先生、ずっと愛してる。
先生は必死に、私を守ろうとしてくれてる。




きっと…私じゃなくても、今みたいに必死だったと思う。




そういう先生だから…




そうじゃなかったら、先生を先生として好きじゃなかったかもしれない。




その日は、どこに行っても陰口が聞こえた。




『あと少しで卒業だったのに…水谷先輩がかわいそう』とか…




『水谷先輩の将来が台無し』とか…




『本当は、たいした事ないのに、わざと警察沙汰にしたんだよ』とか…




聞こえる度に、梨華を止めるので精一杯だった。




今にも、殴りかかりそうだったから…




殴ったら…きっと退学。




私は、梨華と一緒に卒業したい。




梨華と一緒なら…




先生がいてくれるなら…




私は、どんなに辛くても頑張れるよ。




みんな、陰口を言うだけ。




あの先輩だって…自分以外に3人も連れてきた。




結局、人間は1人じゃ何もできない。




弱い生き物だよ…




私だって…1人じゃ何もできない。




弱い生き物同士が、一緒にいるのに…




どうして、助け合えないんだろう…




悲しいね…




みんな、強がって生きているからかな。
< 89 / 258 >

この作品をシェア

pagetop