おじいさんと泥棒
「…素敵なお家ですね。」
僕の呟きにおじいさんは苦笑しながら答えた。
「うむ。私の父の趣味でね。
ここまで家具が揃っていると模様替えする気もおきない。」
「‥掃除が大変そうですよね。」
こんな立派な家なのだろうから、きっと何人もの家政婦さんがいるのだろう。
だがそんな僕の予測はすぐに裏切られた。
「あぁ、さすがに最近は一人で全て掃除できなくなってね。私も歳だな。」
「え?」
こんな広い家に一人で?