おじいさんと泥棒
一通り数の多い部屋を掃除した時にはもう6時を回っていた。
「綺麗になりましたかね?」
「あぁ、おかげで大分綺麗になったよ。ありがとう。」
私がお礼を言うと若者の顔が何故か曇った。
「…どうかしたのかい?」
「いえ、何でもありません。」
若者はそう言って笑った。
だがその笑いが自然でないことはすぐわかった。
「…では僕はそろそ「どうだね?一緒に夕食でも。」
私はわざと彼の言葉を遮るようにして言った。