空からのメッセージ
ある日突然のことだった。
あの時私が泣いたのは・・・。

いつも通っている養護学校。
今日は何か嬉しくて早めに到着。

私と通り過ぎた同じくらいの子。
お母さんと一緒に仲良く歩いていた。

「ねぇ、ママ、今日の晩御飯ハンバーグか、カレーがいい。
美奈、このメニューばかりでいいやっ!」

「だめだよぉ。
美奈、ちゃんとたべよぉ♪
今日はハンバーグにしてあげるから。
でもちゃんと野菜食べなさいよ。」

厳しくても優しい声。
なんか・・・
目の奥が暑い。
なんか・・・
目から水が出てきた。

なにが嬉しくて早くここに着たんだろう。
あと1分。
あと10分。
何でこんなに早く来たんだろう。
もっと、余裕を持ってきてたら・・・。
泣かないですんだのに・・・。
でも今は泣けて来るんだよ。

なんでだろう。
こんなに、私だけ差別されたような世界。

何で生まれてきたんだろう。

私なんてうまれてこなくて良かったのに・・・。
幸恵・・・。
こんな名前つけなくていいのに。
幸せに恵まれる・・・。

そんなこと一回もなったことないよ。

第一、養護学校にいるってことが、
もう恵まれていないかもしれない。

私は今来た道を帰っていった。
そして歩道橋の上。
・・・・
・・・・
・・・・
飛び降ります。

幸恵という名前。
知りません。
誰ですか?!

幸せに恵まれていない私。
そんなの生きていても意味ない。

今から、自殺するの。
今から、幸恵って言う人が1人いなくなるの。

別にいいでしょ。

1人くらいいなくなっても。
誰も悲しまない。

さようなら。
さようなら。

なんでかな?!
死にたくなると急に自分が弱くなっている。
やっぱり人間って・・・・。
変な動物。

私だけだと思う。
そんなこと考えながら・・・。
一歩一歩迫る・・・
別れの時間。

本当に・・・さようなら。


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