天の川の涙
「足に巻いて?いつも文をありがとう」

掛けられた言葉と共に手渡された手ぬぐいに、目の前の少女が織姫である汐羅だと認識した。

手ぬぐいは、淡い桃色をしており桜の花びらがちりばめられたもので、汐羅の笑顔にもひけをとらぬ美しい代物であった。

慌てて頭を下げた佐之助の姿を見て微笑みながら、汐羅は去って行った。

それを機に、直接文を渡す機会が何度と訪れ、いつしか汐羅の笑顔を見る事が楽しみとなり、楽しみから興味へ、興味から好意へと変わっていった。



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