天の川の涙
成長し、文を届ける役目から、宏彦の護衛へと役目が変わり汐羅とも会う機会がなくなっていたが、佐之助の心が変わる事はなかった。

そして、この頃に佐之助の心を震動させる出来事があり、舞台は宏彦が殺された日へと繋がっていく。

「事は進んでいるのか?」

「あぁ…しかし汐羅様も…」

自室で探し物をしていた佐之助の耳に聞き慣れた先輩家臣の声が聞こえてきた。日中に誰もいるはずがないと油断しているのか、話しは更に続いた。

「よ…思……く…な」

「あぁ…」

肝心な所は聞こえなかったが、自分の知らない所で何かが起こっていると悟った。



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