天の川の涙
七夕は、今では七月七日だと言われているけれど、織姫・彦星の呼び名に変わりはないが、昔の七夕は今で言う二月九日で、名も違った。



【聖差】(セイサ)



それが現七夕の昔の名だった。

雲の上には、地上と同じように一つの国が存在していた。

国の名は、天。

そして、その国にある川を天の川と呼んだ。

天の川に流れているのは、水ではなく小さく砕けた星々で、昼夜を問わずきらきらと輝いていた。



.
< 3 / 21 >

この作品をシェア

pagetop