天の川の涙
汐羅は筆を走らせる。

この文の相手には社交辞令のような内容の文しか書けないでいた。

六代目彦星、佐之助様

この世で一番会いたい相手である彦星に宛てた文。

会いたい相手のはずだが、その理由に問題があり、内容のない文しか書けなかったのだ。

一年前の聖差の日、正式に婚儀を交わし夫婦になる日取りを決める事になっていたが、五代目彦星の宏彦(ヒロヒコ)が汐羅の目の前で、何者かに殺されたのだ。



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