あたしの神様


「だから、なぁ明、
――――――泣かしてやろうか?」


あたしの右手を掴んだまま、桐原はそれを自分の左頬に沿わせた。
桐原の肌は、ひんやりと、冷たかった。








返事の代わりにあたしは左手で、桐原の胸板を強く叩いた。
桐原は、笑っただけだった。


< 26 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop