あたしの神様
拝啓、神様。あたしはあなたが嫌いです
その夜、あたしはあたしと郁の部屋の、郁のベッドで眠りに堕ちた。
郁がいなくなったあの日から、ずっとそのままだった郁の布団からは、優しい、郁のにおいがした。
何で、郁が居なくなってしまったのだろうか。
何で、みんなあたしの大切な人は、あたしの前から居なくなってしまうんだろう。
あたしはお父さんとお母さんに、聞いてみたかった。
ねぇ、なんで郁を連れて行ったの?
ねぇ、何で郁だけだったの?
例えば、あたしもここから居なくなれたなら。
そうすれば、すべては元通りになるのかな。