あたしの神様
あたしの神様

「はい、じゃあ今日は先週みんなに出していた宿題の作文を発表してもらいます!
ちゃんとみんな自分の名前の由来を調べて来れたかな?」


担任のみどり先生の声に2年3組の生徒たちは、元気の良い声をあげた。
それに満足そうにみどり先生は頷く。

みどり先生は、まだ着任したての若い女の先生で、あたしは希望がつまった瞳を持つみどり先生を気に入っていた。

「それじゃあ、だれから発表する?発表したい人、手を挙げて!
――うーん、じゃあ郁美ちゃんからいこうか」


たくさんの手が上がった。必死に伸ばされた幼いそれは、本当にもみじの葉っぱのようだと、あたしは思ってしまって、小さく笑ってしまう。
今日は、郁美が2年生になって初めての授業参観日。
隣に立っていたお母さんに不審げな顔で見られたけど、あたしは気にしなかった。
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